【農家が答えます】副業に農業は本当に儲かるのか?について
副業農業の目的
基本的に農業の売り上げに対しての利益率は50%ぐらいです。
例えば、柿が1つ100円で売れても、肥料代、農薬代、作業時間などのコストを差し引くと利益は50円です。
インターネットの情報で副業農業で300万円というキーワードを目にしますが、その打ち分けは本業の収入が8割~9割だと思います。
例えば副業農業で年間150万円(利益)稼ぎたいという場合は、年間300万円の売り上げを出す。本業の稼働日数が年間の7割とした場合、副業農業が年間60日くらいの稼働。これでは、とてもハードルが高いです。
年間の稼働の割合を自由に調整できるなら、副業農業は少しはやりやすくなるかもしれません。一般的な専業農家の場合は、年間の稼働をフルで使えるため可能なわけです。
以上のことから副業農業の目的は、次の3つに絞られると思います。
- 年間の収入を少しでも上げるためにやる(自己消費で食費の削減にもなる)
- 農業の知識を得るためにやる(ステップアップや趣味)
- 田舎暮らしのついでにやる
職業によって、副業の禁止や日数制限がある場合もあります。所属する会社に確認してみてください。
副業に農業を始めるときの畑の借り方
小規模な畑を作ることが出来る庭や土地を持っていない場合は、農地を借りるか買うことになります。
農業委員会を通して農地を買うこともできますが、最初は借りてみることをお勧めします。
1.市町村の農業委員会を通して農地を借りる
農地を借りる場合には農地法という規則を守る必要があります。
借りた人の年間の農作業時間と栽培計画、面積、周辺の農地に支障がないことなどの規則です。
そのため営農計画書の提出が必要になります。
これは各市町村で異なるので、農業委員会に確認してください。
佐渡のような田舎ですと、畑10aで年間利用1万円~2万円くらいです。
この料金は農地の地主さんがだいたい決めているので、かなりの幅があります。
農業委員会を通して借りる畑や田んぼは、農地だけです。管理農園と違い、トイレや駐車場はありません。農業に使う道具一式も自分で用意します。
農業委員会を通さないで農地を口約束で借りる場合、親戚などからの貸し借りは「ヤミ耕作」になります。
農地法により、農地の所在を書面に残して契約内容を明確にしないとけません。
2.市民農園、貸し農園を借りる
お住いの市町村で市民農園を借りる場合は、貸し出している畑の情報が詳しく掲載されています。
農園によっては、営利目的の栽培を禁止いている場合もありますのでご確認ください。
市民農園は農園管理者とのやり取りだけで借りることができます。
1区画の面積はだいたい1坪~5坪と狭い単位です。
市民農園は規則的に駐車場、トイレ、農機具が置いてある納屋などが設置されています。
そのため年間利用料金が、5千円~くらいすると思います。
有機栽培の管理農園の場合、個人で農薬が使えないこと。畑を辞めて返すときに、自分で敷いたビニールマルチなどの撤去作業が必要。いろいろな規則が農園によってありますので、借りる場合は、必ず内容を確認してください。
作物選び
私のお勧めは、初心者でも作りやすい、ナス、オクラ、とうがらし、ニンニクです。
ナス
長なす 、水なす、と用途によって品種が選べます。収穫時期が6月から10月と長いので、収穫のタイミングを空いている時期に合わすことができます。水やりをやればやるほど育ちます。肥料は畝を作るときと花が咲くタイミングの最低2回。道の駅などに卸す場合は、ナスの表面の傷も多少問題ありません。
オクラ
狭い畑でも、密植することでコンパクトな木にできます。種まきの時に4粒まとめて1穴にまいて、芽が出てから弱い1本の芽をとります。収穫時期は7月から9月。ナスと比較すると肥料が好きなので、初夏に葉が生い茂ってきたら、液肥なら週に1回、固形の肥料なら月1回撒いてください。オクラの大きさが8cmくらいのときに収穫します。夏場なのですぐに大きくなり硬くなります。収穫の時期に注意してください。
とうがらし
辛さによって品種が多いです。収穫時期は6月から10月と長い。肥料は畝を作るときと、その後は月1回の固形肥料。害虫はアブラムシくらいなので、市販の農薬ハンディスプレーなどで簡単に対処できます。真っ赤な唐辛子を作る場合は開花してから60日ほど生育して収穫します。とうがらしは海外産が多いので、日本産は重宝されます。
ニンニク
球根を買ってきて植えて、収穫のときは引っこ抜くだけと作業的に簡単です。植えた後の手間もかかりませんが栽培に10か月ほどかかります。8~9月に植え付けて収穫は来年の5~6月になります。肥料は畝を作るときと、その後は月1回の固形肥料か液肥です。冬に葉が枯れても問題ありません。ニンニクも海外産が多いので、日本産は重宝されます。
直売所の野菜売り場を見て、わかる事
小松菜やほうれん草などの葉物は鮮度が落ちやすいので、収穫したその日に売りたいです。1~2日で商品を入れ替えます。
なす、きゅうり、ピーマンなどの夏野菜は売り場の乾燥に対して平均的です。袋に入れて棚にならべおけば鮮度の劣化は問題無いです。3日くらいで商品を入れ替えます。
トマトは収穫後も熟すのが進行していくので、売れるタイミングよりやや早めに出品するといいです。3日くらいで商品を入れ替えます。
じゃがいも、たまねぎなどの土もの野菜は鮮度の劣化が分かりにくいです。切って見て中が腐ってることが分かるので、なるべく早めに売るのがいいです。新物の時期は2~3日、その後は5~7日で商品を入れ替えます。
ページの最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。ご参考になれば幸いです。
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