【農業未経験者向け】畑の規模の経済効果、儲けを出しやすい方法。
畑の規模の経済は、少々ややこしい話ですが、簡単に言うとポイントはこの3点です。
- 大量に作ると投資の効率がいい作物を作ると儲けが出やすい。
- 畑を作るのには、初期投資(土つくり、種苗など)と維持費(肥料、農薬など)が必要になる。
- 作物の原価は低いほうが良い。
大量に作ると投資の効率がいい理由
例えば、さつまいもを10a(1反=約991.7平方メートル)栽培して、収穫量が3tとします。
その10倍の100a(1町=9917.36平方メートル)栽培すると収穫量は30tになります。
トラクターを買うのに300万円必要になり、毎月の維持費が1万円かかるとします。
どちらの畑でもトラクター1台で年間の仕事が出来るとします。
1年のトラクター代(312万円)だけを必要経費として、収穫量で割ってい見ると、
10aなら、さつまいもの原価は1kgあたり1040円、
100aなら、さつまいもの原価は1kgあたり104円になります。
このように、1kgあたりのコストが少ないほうが、投資の効率が良いということです。
1kgのさつまいもをどちらも300円で売ると、100aの方は利益がでますが、
10aの方はマイナスになってしまいます。
逆に規模によって原価がマイナスになる作物もあります。簡単にいうと機械化されていない作物です。
ハウストマト、ハウスイチゴ、果樹全般は、収穫作業が手作業のために人手が必要になり、
人件費が大きくなる傾向があります。そのため、大手企業があまり参入していないという理由があります。
大量に作ると効率がいい作物
じゃがいも:機械化された栽培手法が確立されている。比較的に栽培の手間がかからない。
きゃべつ:1ヘクタール(100a)で、年間所得が160万くらいですが、基本的に大量に地元のJA出荷。
にんじん:比較的に栽培の手間がかからない。連作障害に強いが、連作はおすすめはしない。
さつまいも:比較的に栽培の手間がかからない。キャベツみたいに値崩れする場合もある。加工品や焼酎の原料にも売れる。
畑を作るのには、初期投資(土つくり、種苗など)と維持費(肥料、農薬など)が必要になる
数年使っていない荒れた畑を格安で借りたとします。
作物が元気に育つように肥料を使って、土中成分を調整する必要があります。
そして収穫までの生育管理のため、農薬を使って病気を予防する必要があります。
この作物の生育のためのコストは、完全に面積に比例します。
例えると、畜産の子牛を10頭育てるのも1000頭育てるのも、1頭分の費用が安くなることはないのと同じです。
畑の維持費のコストを削減することで、ぱっと思いつくのは無農薬栽培で農薬のコストを削減です。
正直なところ、この場合は規格外の品物が増えるだけで、売り上げが逆に減ります。
確立した栽培の技術を持っている凄腕の農家さんなら完全有機、無農薬栽培は可能かもしれませんが、数年の経験ではほぼ赤字になります。
作物の原価は低いほうが良い。
以上のことから、作物の原価は低いほうが良いわけです。
そもそも大量に作れる作物は基本的に原価が安い物です。
時々ニュースになるキャベツの値崩れなどは、産地で大規模に大量に作られているから生じる問題です。
逆に栽培が面倒な原価が高い作物には生育過程のコストが上乗せされているため高値で売っているわけです。メロン、いちご、洋梨など。
個人ブランドで、原価コストを上げて、特別な肥料を使うことで他の作物と差別化してブランド化するケースもあります。
ページを最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。ご参考になれば幸いです。
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