【農業初心者向け】農薬に混ぜる展着剤って、どんな効果なの?
農薬には作物の病気を防ぐ殺菌剤、作物に発生する害虫を防ぐ殺虫剤があります。どちらもが作物の葉や実に付着しないと効果が発揮されません。農薬散布後に雨に流されてしまうと効果が落ちます。このように農薬の効果が落ちないようにするのが展着剤です。展着剤を使用することで、液体の表面張力をさげて弾かれないようにし、作物の表面を農薬でコーティングする効果が上がります。
展着剤を加用するタイミング
農薬を希釈する水を用意して、先ずは展着剤を加用して混ぜます。発泡性の高い展着剤の場合はラベルに記載がある通り、最後に入れてください。次に「液剤>乳剤>水溶剤>ドライフロアブル>フロアブル>水和剤」の順番で水に混ぜていきます。液体が混ざり安くて、粉は混ざりにくいみたいな感覚で覚えて、水っぽいのから混ぜれば大丈夫です。
農薬によっては展着剤を加用することで、薬害が出る可能性あります。使用する際は農薬と展着剤の取り扱い説明文をしっかり読んで適切に使用してください。
展着剤の種類
展着剤は使用目的によって、一般展着剤、機能性展着剤、固着剤、除草剤用に分類されます。
一般展着剤
水を弾きやすい作物の表面を均一に濡らす効果が向上します。希釈倍率が4,000~10,000倍ぐらいと高い。代表的なものは、グラミンS、ハイテンパワーなど。
機能性展着剤
一般展着剤よりも希釈倍率が低く、濡らす効果と付着性が高くなっている。そのため一般展着剤よりも価格も高くなっている。アプローチBI、スカッシュ、まくぴか、ブレイクスルーなど。
固着剤
成分に接着剤に利用されてるパラフィンや樹脂酸エステルが含まれているもの。濡らすよりも付着させる効果に優れている。アビオンE、KKステッカー、ペタンVなど。
基本的に展着剤の使用で農薬の効果が向上します。果樹の場合はある程度のデータがインターネットでも調べられます。しかし野菜のように栽培形態が多様化(露地、施設、作型)しているものは実際に最適なのはどれか、はっきりとしたデータが少ないのが現状です。
除草剤用展着剤
浸透性や付着性の向上以外に耐雨性や即効性を向上させる。一般的な展着剤と比較すると除草剤の効果の違いが分かります。クサリノー、サーファクタントWKなど。
私個人は、野菜には、「まくぴか、ブレイクスルー」、果樹には「アプローチBI、スカッシュ」を使用しています。地域の農家さんによっても、展着剤はいろいろ好みが分かれます、機能性か固着剤のどれかを使っていれば問題ないと思います。最近は果樹には、アビオンEが人気っぽいです。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。ご参考になれば幸いです。
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