「農業で儲かる作物は?」に脱サラ現役農家が答えてみます。
農業を新規に始めたい方は、大まかに儲かる事を希望していると思います。
始めるにあたり、地域を決定することと、作物を決定することのどちらを優先するか吟味する必要があります。
その参考になればと思い、この記事を書いています。
儲かる作物とは?
儲かる作物の条件は、この3つに当てはまると思います。
- 作る事に時間(手間)がかかる作物(収量が少なく高値で売れる)
- 大規模な畑で大量に作られる作物(薄利多売の一般的な作物)
- 初期投資が少ない作物(経費が比較的少ない)
露地栽培で儲かるらしい作物
作物名 | 10アールの売り上げ | 解説 |
メロン | 300万円 | 露地栽培のため設備費(ビニールハウス代)が要らないため、利益率が高くなる。 |
さといも | 41万円 | 収穫のとき、掘り起こすのが機械化されていない?正月お盆に売れる。 |
さつまいも | 20万円 | 規模の大きい畑で作る野菜です。土を選ぶので産地がおすすめ。加工品も作れる。 |
にんじん | 54万円 | 春夏の人参は高値。しかし秋冬は低値なので、大規模な面積が必要になる。 |
トマト | 150万円 | ニンジンの労働時間と比較すると数倍以上必要となる。雨除けは使用している? |
施設栽培で儲かるらしい作物
作物名 | 10アールの売り上げ | 解説 |
大玉トマト | 260万円 | 天候の影響を受けない。鳥害がない。高い品質のものがたくさん採れる。 |
ミニトマト | 400万円 | 天候の影響を受けない。鳥害がない。高い品質のものがたくさん採れる。 |
イチゴ | 360万円 | 加温することで収穫時期を調節できる。高値の時期に販売する。 |
ししとう | 230万円 | 枝の仕立てや、わき芽を取ったりと作業時間が比較的に長い。 |
ピーマン | 280万円 | ハウスを加温することで、冬から春の出荷で高値で売れる。 |
例えば、ピーマンの産地の宮崎県では、ビニールハウス付の土地を貸してくれたりするので、産地で始めると初期投資が抑えられます。もちろん周囲にはピーマン農家のプロがいますので、知識の共有もできますね。
トマトは産地でブランド化されていることが多いので、価格が安定しています。桃太郎など。トマトは花の間引きなどの技術習得によって収量が左右される作物です。冬から春のトマトが高値で売れます。
ちなみに上記の売り上げから、肥料・農薬・種苗代などの経費を引いたものが、利益です。
現在は原油の高騰や円安で、農業資材、肥料、燃料などいろいろな消耗品が、ご存知の通り高騰しています。新築のビニールハウスもちろん値上がりします。
利益率は45%~60%ぐらいだと思います。作物によって利益率は異なります。
八珍柿って売り上げ、ぶっちゃけどうなの?
佐渡は柿の産地なので、収穫の出来る柿の木と農園がセットで借りられます。
柿の苗木を最初から育てる必要がありませんので初期投資が抑えられます。
そう言いましても老木の園地もありますので、その場合は植え替えが必要な場合もあります。
借りた年の秋には柿が実をつけるので、即収入につなげられます。
八珍柿は10アールあたり売り上げは60万円ぐらいです。渋柿なので販売前に渋抜き作業が必要になります。
産地のブランド名である「まるは おけさ柿」として売れば、ブランド品なので、個人販売より価格は安定します。または、干し柿やあんぽ柿、化粧品や食品の原料にもなるので、加工品を作って売ることも盛んです。
デメリットは収穫が機械化されていません。手で1つ1つ収穫します。
露地栽培のため昨今の天候不順により、産地全体が不作になった場合はどうしようもないですが。
新潟県佐渡島農家直営『さどうちもん公式サイト』 | おけさ柿で有名!佐渡島の八珍柿を直営価格でご提供 (sadouchimon.jp)
補足情報
みなさんが農業を始めるにあたって、気になる産地や、儲かると思う作物がある場合は、その産地の人に情報を聞くのが、手っ取り早いです。
産地の農協や市役所、新規就農を募集している法人などの窓口から、作物の収益に関して聞いてみると、一番詳しい情報を教えてくれると思います。
佐渡島のように、後継者がいない産地は、新規就農者に対して、シャインマスカットの棚付きのハウスを貸してくれたり、イチゴの加温ビニールハウスを貸してくれる場合があります。この方法が数百万の初期投資の必要がなくなるので、収益を黒字にしやすいと思いますね。新規就農者全員が、借りれるとも限りませんがね。
ページを最後まで読んでいただき、ありがとうございました。新規就農を考えている方の参考になれば幸いです。
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