【食品ロスと寄付】「個人農家がフードバンクに柿を送って見た話」

目次

【食品ロスと寄付】「個人農家がフードバンクに柿を送って見た話」

1.話の発端

柿のインターネット販売をしているので、柿の在庫は潤沢にありました。もちろん果物ですので、収穫後に低温で保存していても、どんどん熟して水風船のように柿がなるので、適切なタイミングで売らないといけません。

まぁ今年も物価高などあったので、ご新規のお客さんからの注文は、手で数えられる程度でした。柿農家の間でよく言われるのは、柿を買うのはご年配で、子供は柿を食べない。なぜかというと、皮をむくのが面倒だし、価格が他の果物と比較すると高いからと言われています。

柿の消費者を少しでも増やしたいので、過去にツイッターやブログで、無料で柿を希望者に送ったことも過去にあります。そのときは片手で数えられる件数の応募があったので、全部に柿をお送りしました。この話を農家仲間にしたところ、「お客さんとしては、無料で配るのは怪しいと思うよ。」と言われ、送りつけて高い代金を取る事件もあるので、そういう考えもあるよなーと私も納得しました。

それなら、タダで受け取ってくれるフードバンクに柿を寄付するのは、どうかと思いました。

2.野菜や果物を受け取ってくれるフードバンクは少ない?

生鮮食品は鮮度管理が必要になるので、受け入れの可不可は個々のフードバンクで異なります。

寄贈が不可能な食品例

  • 包装/外装が開封済みのもの
  • 包装/外装が破損や汚損しているもの
  • 包装/外装と中身が違うもの(お米を除く)
  • 賞味期限・原材料の表記がないもの(砂糖・塩を除く)
  • 賞味期限が切れるまで1か月未満のもの
  • 生鮮食品、冷蔵・冷凍食品、瓶詰
  • アルコール飲料、医薬品、保健機能食品(サプリメントなど)

今回は柿(果物)を寄贈する場合、上記の例では、賞味期限と生鮮食品の項目が該当します。インターネットで「フードバンンク 農家 果物 寄贈」などのキーワードで検索すると、生鮮食品でも受け入れてくれるフードバンクが見つかります。

例として、先月に柿を寄付させていただいた、認定NPO法人 フードバンク湘南 (foodbank-shonan.com)様ですと、ホームページに「農家様(余剰野菜のご寄付)」の項目があるので、生鮮食品の受け入れ可が一目瞭然です。また電話窓口もあるので、口頭で柿の鮮度の日持ちなどを詳しく説明することができました。果物なので、このような説明が直接担当者様に伝えられると農家としては安心できます。

柿を送った生鮮食品(野菜・果物)の受け入れが可能なフードバンク様 ※順不同で掲載

3.おわりに

このように寄付したと言っていますが、ただ単に柿が余ってたのでついでに売名行為をしているとも言えます。日本は個人で寄付する文化が他の国と比べて少ないです。つい最近も24時間テレビの寄付金が着服されたことがニュースになっています。テレビ番組というイベントに合わせての寄付ですと、参加してる感覚が直に感じられて寄付者は集まると思います。町内化で寄付金を募っているのも付き合いで寄付しているので帰属意識はあると思います。次の段階では、個人で判断して、寄付できる人が増えることが望ましいと考えます。

フードバンクの担当さんと電話で会話しましたが、「なんで私たちを選んだのでしょうか?」「寄付するなら地元の県でいいのでは?」「柿なんて高級品を?」と言われました。私としては無理を言ってる側というスタンスで、電話をしていたので「お客様」扱いされたことに驚きました。それだけ支援者が少ないし、現状の物価高騰問題などもありフードバンクとしての運営が難しいと勝手に推測しました。そんなわけもあり、私個人がゆかりのある地域のフードバンク様を選んでに送ったという経緯もあります。

私個人も生活が楽なほど農業で儲けていませんが、作物が余って処分するしかないなら、寄付するという感覚がもっと広まればいいなと思います。

寄付したお返事の礼状

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次