【農家がまとめる】儲かる野菜、所得率が60%の里芋を考える。

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【農家がまとめる】儲かる野菜、所得率が60%の里芋を考える。

前知識で思いつく里芋のメリット3つ

  • 所得率が60%と他の作物と比較して儲けが出やすい。
  • お正月など、定番の販売タイミングがある。
  • 水気の多い田んぼの転作に向いている。

里芋の代表的な産地

埼玉、千葉、愛媛、宮崎が代表的な産地です。比較対象として東京のデータも載せておきます。

2011年2016年2021年
東京240229207
埼玉807807759
千葉17601390986
愛媛345391428
宮崎12601110884
里芋の作付面積(ha)

2011年2016年2021年
東京103010801380
埼玉200022702460
千葉132014901500
愛媛162022502240
宮崎20009491550
10アール当たりの収穫量(kg)

価格(円/kg)数量(t)
東京190118
埼玉3076192
千葉3393174
愛媛3361180
宮崎435601
2021年の里芋の卸売り価格(関東市場)

栽培面積は各産地で、やや減少傾向ですが10アール当たりの収穫量が増加しています。産地に適した栽培技術の確立と新品種の採用などが考えられます。

市場の価格を見ると産地の強みが分かります。数量(出荷量)が多いほど価格が高値で安定します。

里芋の品種

土垂(どだれ)

全国各地で栽培されている一般的な品種。特に関東地方では栽培量が多い。収穫量が比較的多く、調理時に煮崩れしにくい特徴がある。

ちば丸(ちばまる)

千葉県農林総合研究センターが開発し、2007年に品種登録された里芋の品種。土垂の変異株から作られたので、土垂の特徴を持ちつつ、土垂に比べて孫芋が大きくて丸く、ぬめりが少ない特徴がある。農家としては、形状の揃いがいい品種なので、出荷時の等級の選別作業の時間短縮にもなる。

女早生(おんなわせ)

愛媛県の品種で、小ぶりで丸い形状をしている。食感は粘り気が強く、味に甘みがあるのが特徴。

伊予美人(いよびじん)

愛媛県農業業試験場が開発した愛媛県オリジナルの新品種。女早生の優良系統から作られ、2008年に品種登録された。四国産地の環境に適用するため、強風(やまじ風)に比較的強い特徴がある。

帛乙女(きぬおとめ)

新潟県の品種。農家が独自に品種改良を長年していたら確立された品種。元は大和早生(やまとわせ)の系統になる。いまは新潟県五泉市の特産品になっている。

他にも、主に関西で栽培されている「石川早生」、福井県の「大野芋」「絹ひかり」、愛知県の「愛知早生」など各地に適応した品種があります。各産地で品種改良が盛んなのがわかる。

まとめ

今回は農林水産省がまとめているデータをもとに考えます。千葉県を例にあげますと、10アール当たりの平均の収穫量が1500kg、kg単価が339円。10アールの売り上げは、50万8千500円になります。売り上げから経費を引いた所得率60%と考えると約30万円が10アール当たりの利益となります。

データを見た限り、里芋は10アール当たりの所得が25~30万円くらいを見込めるので、儲けが出やすい作物だと思いました。

※2007年の調査データでは、10アール当たりの売り上げ41万2千円、経費15万1千円、農業所得26万1千円とあります。品目別経営統計:農林水産省 (maff.go.jp)

参考サイト:確報(統計表一覧)野菜生産出荷統計 調査結果データ〔Excel:e-Stat〕作況調査(野菜):農林水産省 (maff.go.jp)

ページの最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。ご参考になれば幸いです。

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