農家の手指のしびれと痛みとお家で出来る治療方法について
機械化できない作業が多い農家は腱鞘炎になりやすい。
柿農家の年間の手を使う仕事例
- 5~8月は蕾の間引き作業でハサミを使って1つ1つ切り落とします。伸びた不要な枝をハサミで切ります。
- 10~11月はハサミを使って柿の実を収穫して、各自選別作業をして出荷します。
- 12~3月は柿の木の剪定作業のため、枝をハサミで切って形を整えます。
- 干し柿やあんぽ柿を作る場合は、11月~12月に柿の皮むき、乾燥、選別作業が入ります。
このように手を使う作業が年間を通して多いので、手や肩のしびれや痛みが出やすいです。

主な手指の症状と治療方法
ばね指(弾発指)
指に生じる腱鞘炎です。指を曲げ伸ばしするときに「かっくん」と跳ねるような症状です。朝に症状がはっきり出て、指が曲げにくい状態になります。日中は症状が回復します。初期症状のときは、手を使わないで休ませることで症状が改善します。炎症状態の手で継続作業をしていると自力で指の曲げ伸ばしが出来なくなります。
◎ばね指の治療方法
- 症状が出ている手をなるべく休ませる。反対の手を使ったり、手を使う必要がある場合は適度に休憩をはさんで作業する。
- 40℃のお湯の中で10~20分、手をほぐすように指の曲げ伸ばし運動をする。可能であれば1日3回、できなければ手がこわばっている朝に1回。
- 冬場に症状が出る場合は、手を冷やさないように注意する。手袋、温感クリームなどを使うと良い。
上記で改善しない場合は、病院でステロイド注射を指にすることで炎症を治めることができるが、あくまで一時的なものです。それでも改善されない場合は、切開手術になることもあります。
ドゥ・ケルバン病
手首にしびれや痛みが出る腱鞘炎です。親指から手首に繋がっている腱が腫れているので、親指が動かしにくくなったり、手首のあたりが腫れて痛みを感じるようになります。親指を使うスポーツや仕事をしている人やホルモンバランスが崩れた時の女性にも発症します。
◎ドゥ・ケルバン病の治療方法
- 親指を開いたり閉じたりする何かを握る動作を控える。
- 痛みを感じる箇所に湿布や塗薬を使って、炎症を緩和させる。
- 親指を開いた状態にしてテーピングで2~3週間ほど固定する。
上記で改善しない場合は、病院でステロイド注射によって炎症を治めることができる。それでも改善されない場合は、切開手術になることもあります。
テニス肘
ボールを打つ動作や重い中華鍋を振ったりするときに手首から上腕にかけての腱に継続的に負荷がかかることで発症します。肘付近の腱が炎症する症状です。農家の場合は自分の背より高い位置の果樹の枝に対して、手を挙げた状態で作業することで起こりやすいです。
◎テニス肘の治療方法
- 患部に負担んがかからないよう安静にする。
- 手の甲と肘のマッサージをする。腕から肩のストレッチをする。
- 痛みを感じる箇所に湿布や塗薬を使って、炎症を緩和させる。
- 改善されない場合は、整骨院などで治療を受ける。
手の甲のマッサージは、中指の延長線上にあたる手の甲の中心をマッサージします。反対の手の人差し指と中指を手の平に回し、親指で手の甲を30秒から1分程度もみ込みます。肘のマッサージは肘を軽く曲げた状態で肘からワキの上腕の下部(力こぶが出来る反対側)の筋肉をほぐします。揉むのではなく、軽く引っ張るようにほぐします。腕から肩のストレッチは症状が出ている腕を体の前に伸ばして手のひらを下に向けます。反対の手で手の甲をつかんで軽く前方に引っ張ってストレッチ。次に伸ばした腕を回転させて親指を下に向けます。腕を体の方に軽く引き寄せてストレッチします。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。ご参考になれば幸いです。

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