お米問題が不思議に思ったので、お米のことを考える。3杯目「お米の作り方」

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お米問題が不思議に思ったので、お米のことを考える。3杯目「お米の作り方」

1年の流れと作業内容

種まき

稲の種は、もみ殻に包まれているため、種籾(たねもみ)と呼びます。質の良い種籾を選別して苗にします。工程は、選種 → 消毒 → 浸種 → 催芽となります。

  1. 選種  塩水(10Lの水に塩2.2㎏の密度密度1.13g/㎤)に種籾を入れて、かき混ぜて水面が落ち着いたら、浮いている種籾を取り除いて、比重の重い沈んでいる種籾を種まきに使用します。農家では水の中に卵を入れて浮いてくるまで塩を入れてちょうどいい濃度にしていました。
  2. 消毒  種籾には病原菌がついていることがあるので、薬剤液に1日〜2日浸けて消毒します。消毒後は数時間陰干しした後、水洗いせずに浸種します。
  3. 浸種  発芽を早めて揃えることが目的で、種籾を水に浸けて水を吸水させます。種籾の吸水には温度が関係し、発芽に必要な含水率25%となるには、水温10度で10〜12日、水温15度で6〜8日掛かります。
  4. 催芽(芽出し)  浸種の済んだ種籾を30度〜32度のぬるま湯に1日漬けます。種籾の胚の部分から白い芽がちょろっと出て、まだ根が出ていなタイミングで引き揚げます。日陰で軽く陰干ししてから、種まきに使用します。

播種 

  1. 育苗箱の底に新聞紙を敷き、その上に床土を詰め、ならし板を使って厚さ2cmで平らにします。床土を詰め終えたら、表面に水がたまる程度にかん水します。
  2. 1箱分の種籾を測り取り、全体にムラなく撒きます。
  3. 撒き終わったら水をやり、5mmほどの厚さに覆土します。(覆土後に水はやりません。)
  4. できた苗箱を発芽機か水苗代に入れて発芽させます。

全自動播種機を使用することで苗箱の土入れ、種まき、水やり、覆土をコンベアー上で自動で行うことが出来ます。

スチーム発芽機の準備  水蒸気で温めで発芽を促進し、種まきから10日くらい加温します。

または水苗代(みずなわしろ)の準備  入水・排水の便利な場所を選び、育苗箱を並べることのできるプールをつくります。育苗箱と苗代がしっかり密着するよう、また水位が均一になるよう、苗代は均平にすることが大切です。

育苗

苗箱の表面から芽が出たら、芽を日光や気温に慣らす工程。ビニールハウスやトンネルの中に苗箱を置き、寒冷紗をかけて保温します。成長と気温が十分になったら、寒冷紗を取り除いて液肥や肥料をあげて、1か月ほど育てます。

田んぼの準備

耕起(田起こし)  田んぼに元肥を散布してから、トラクターで耕します。この土を起こすことを耕起と言います。

畦塗り(あぜぬり) 田んぼから水が漏れないように、田んぼの境に泥土を塗ります。(または畦畔シートを設置します。)

入水 代掻きを行うために田んぼに水を入れます。田全面がかるく浸かる程度にします。地域によってパイプラインが整備されていたり、農業用水路から水を引きます。

代掻き(しろかき)  水を張った田んぼをロータリで攪拌します。土を細かく砕いて、足がとられるイメージのトロトロの土にします。かき混ぜた土が沈むのを数日待ってから田植えを行います。すぐに田植えをすると土がトロトロすぎて苗が倒れる恐れがあります。

田植え

田植え前に田んぼの水をいったん抜きます。水を張ったまま田植え機を使うと波が立って植えた苗が押し流されます。できれば田植えは2人以上でやります。田植え機を操作する人と、苗が足りなくなったら田植え機の所まで運ぶ人。

田植えのポイントは、田植え機でまっすぐ植えることと、植え漏らしを減らすことになります。田植え機に付属するガイドと前方に目印となる棒を立てたりして、綺麗に直進しながら植えます。田んぼの角などは、機械では植えられないので、手で植えることになります(補植)。

田植え機を使い終わったら、泥が乾く前に水で洗います。1日放置すると泥が固まり、可動部分が動かなくなります。補植が終わったら、田んぼに水を入れて田植え終了です。

水管理と稲の育成

分蘖(ぶんけつ)とは、イネ科の植物が、根本で株分かれる現象です。収量を増やすため、肥培や土壌を管理して分けつを促進するのが基本になります。田んぼの水管理と育成状況を簡単にまとめると下図のようになります。

5月~6月7月8月9月上
分けつ期最高分けつ期幼穂発育期登熟期
水管理深浅中干し中干し間断間断間断浅間断間断間断落水
施肥分けつ肥つなぎ肥穂肥実肥

深:植え付け直後から活着するまでは、苗が水没しない5〜7cm程度の水深にして、水の保温効果により苗を保護します。地面が水面上に出ないことで水中での発芽を防ぐ除草剤が効きやすくなります。深水管理

浅:苗の活着後から分げつ期は、2〜4cm程度の水深にして、地温を上昇させることで分げつの発生を促します。浅水管理

中干し:最高分げつ期の頃になったら、田から水を抜き、土表面に亀裂が出るまで7〜10日間ほど干します。

中干しには、次の効果があります。土の中に酸素を供給し根を健全にする。無効分けつの発生を抑える。土中の有害物質の生成を抑える。

間断:この時期になると根が土の中の酸素を吸収しようとするので、水を抜いて酸素を根が吸収しやすくするために、水を入れては抜いてを繰り返します。(間断かんがい)※水を入れっぱなしだと根が腐ります。

落水:収穫前15日程度を目安に水を抜きます。落水は遅い方が良いのですが、収穫作業までに乾ききっていないとコンバインなどの大型機械で作業しにくくなります。

◆施肥

  • 分けつ肥・・・田植えの2〜3週間後に施し、分けつや、葉面積を増やします。効きすぎると過繁茂の原因になるので注意。
  • つなぎ肥・・・有効茎を確保した後、窒素不足を補うのに施します。
  • 穂肥・・・出穂の15〜25日前の幼穂形成期に施し、収穫時のもみの数を増やします。
  • 実肥・・・出穂後に施し、実りを良くします。効きすぎると米の窒素含有率が上がり、食味が低下する恐れがあるので注意。

施肥量については、元肥と同様に品種や地域毎に施肥基準が設けられています。肥料が過多になると、稲穂の背が高くなり、雨や風で倒れやすくなるので注意してください。稲穂が倒れるとコンバインで刈りにくくなります。

◆防除

雑草防除、病害虫防除に関しては、地域の防除暦や出荷基準を確認してください。主な稲の病害虫には次のようなものがあります。

いもち病気温25度前後で曇雨天が続くと多発し、感染が進むと稲が枯れる。成長を妨げられるので、収穫後には味の悪いお米になってします。
紋枯病温暖化により発生が多くなっており、7月から9月にかけて葉鞘部に楕円形の斑紋を形成します。いもち病同様に進行すると稲が枯れる。
イネツトムシ幼虫が葉を筒状に丸め、夜間に葉を食害します。
イネミズゾウムシ田植えの後、成虫が水田に侵入し葉を食害します。
カメムシ類出穂後に水田に侵入し、籾を吸汁加害。斑点米を発生させます(お米の価格が下がる)。
ツマグロヨコバイイネを吸汁加害し、萎縮病・黄萎病などイネの伝染病を媒介します。
ニカメイチュウ幼虫が若稲に潜り込んで茎内を食害します。

稲刈り・脱穀

稲刈りには一般的にコンバインという稲刈りと脱穀を同時にできる機械を使用します。脱穀とは稲の穂からモミを取る作業を言います。コンバインには2タイプあって、袋にモミを入れるタイプは、袋がいっぱいになったら袋を交換して、また作業します。タンクのついたタイプはタンクがいっぱいになったら、筒状のノズルからモミを排出して軽トラックの袋に移します。

収穫したお米を持ち帰って、乾燥機に入れます。乾燥施設をもっていない兼業農家などはモミを農協のカントリーエレベーターに持っていきます。

乾燥、もみすり

コンバインで刈り取ったモミは水分を20%以上含んでいます。水分率を15%前後に下げないで置いておくと、お米が発酵して腐ってしまいます。そのため、乾燥機で半日~1日ほど熱風をあてて乾燥させます。

乾燥が終わったら、もみすり機に入れて周囲の殻を取って、玄米にします。選別機能があるもみすり機の場合は、小粒・割れたお米が「くず米」として別の排出口から出てきます。これを集めておいて、くず米として業者さんに買い取ってもらえます。大粒の玄米は出荷用として、規定のコメ袋に詰めて出荷します。

出荷

JA(農協)に出荷したお米は、品質検査を行われ、等級ごとの価格で買い取られます。個人直販の場合は、専用のエアコン付き冷蔵庫に保管されて、食味を落とさないように保管します。もみの状態で保管し、消費者から注文を受けたら精米して販売するやり方もあります。

参考サイト:やまむファーム様 「お米作りの一年の流れと作業内容」

参考文献:『イラスト図解 コメのすべて 生産、流通から最新技術まで』 著者:有坪民雄 発行:日本実業出版社 2006年10月20日

ページの最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。ご参考になれば幸いです。


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