アスパラガスの害虫と対策

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アスパラガスの害虫と対策

アスパラガスに付く、一般的な害虫

アザミウマ類…主な加害種はネギアザミウマ。擬葉が白くなったり、若い茎をやすりをかけたような白い細かな傷状の食害痕を生じる。極小の虫。

・アブラムシ類…若い茎の養分を吸う。目視できるので、対策は容易です。

・カメムシ類…若い茎の養分を吸う。立茎のした茎の病気の箇所によくいる。目視できるので、対策は容易です。

・カタツムリ類…若い茎の表面をかじる。擬葉が茂っていて、常に影になっている地表にいる。

カンザワハダニ…擬葉が白くなったり、若い茎をやすりをかけたような白い細かな傷状の食害痕を生じる。発生密度が高まると擬葉に蜘蛛の巣みたいなネットを張る。極小の虫。

・コガネムシ類…擬葉を食害する。

・チョウの幼虫類…若い茎に卵を産み付けて、幼虫が若い茎を食害する。一般的にアオムシ。

ヨトウムシ類…ヨトウガの幼虫で、昼間は浅い地中に潜っている。夜行性で若い芽や茎を食害する。

ハウス栽培と露地栽培の害虫の違い

アザミウマ類、ダニ類、シラミ類などの、極小の虫はハウス栽培で増殖しやすい。

チョウ、ヨトウムシ類、コガネムシ類は飛来するため、春の露地栽培に多く被害が見られる。

害虫への薬剤を使用した対策

主な農薬

アブラムシ類、カメムシ類、ジュウシホシクビナガハムシ、ヨトウムシ

アディオン乳剤…有効成分ペルメトリン、水に希釈すると、乳化して白い液体になる。

アーデント水和剤…有効成分アクリナトリン。

ダントツ水溶剤…有効成分クロチアニジン、ネオニコチノイド系殺虫剤。

アブラムシ類は農薬で駆除することが用意です。カメムシ類は農薬散布後に飛来する場合もあるので、数日後にまた畑で見かけることがあります。コカネムシ類も農薬で比較的簡単に駆除できます。カタツムリ類は、銅水和剤のICボルドー66DやZボルドーで退治できます。

ダニ類、アザミウマ類、シラミ類

ディアナSC…有効成分スピネトラム、幅広い害虫の防除が可能、価格が高め。

プレオフロアブル…有効成分ピリダル、既存剤の耐性ができた虫にも効く有用昆虫に対する影響が少ない。

モスピラン顆粒水溶剤…有効成分アセタミプリド、幅広い害虫の防除が可能、残効性が優れる。

ダニ類、アザミウマ類、シラミ類に関しては、アスパラガスの茎に寄生するので、薬剤がかからないで、駆除しきれないことがあります。また、ビニールハウスでは大量発生することもあります。

農薬に関しての詳細は、農薬情報を確認してください。農薬情報 (greenjapan.co.jp)

害虫対策のためのハウス、畑の周囲の管理

ビニールハウスの害虫対策

周囲(隣接して)に長ネギ、たまねぎを栽培しない。アザミウマ類がネギ類に寄ってきます。

周囲の雑草をこまめに刈ることで、害虫の増殖を防ぐ。または、有益昆虫が増える草を周囲に植える。

クリムゾンクローバーを数メートル離れた外周に植えるとアザミウマ類やダニ類を食べる大型のダニ類が増えます。ある程度のハウスへの害虫の侵入が減ります。露地栽培の場合は、アザミウマ類を全く見なくなります。

立茎するときに間隔を広めにとる、茎を密集させない。なるべく茎との間隔をコブシ1つ分以上あけてください。

ハウスの場合は上に茎が伸びることができないため、中間の擬葉がたくさん発生することで、立茎の中心部に殺虫剤がかからない場合があります。

立茎の下の方(70cmくらい)の擬葉は刈り取って、畝に日があたるようにしてください。

中心部が擬葉で混んでしまったら、20cmくらい先端をカットすることで、虫の発生を防ぐこともできます。

過去に見学させてもらった産地では、横の擬葉を茂らせて、立って歩けない状態で管理されているところもあります。

ダニ類、アザミウマ類が大発生した場合は、秋に枯れた茎の中や地中の株に寄生しています。収穫収量してからの残渣処理は徹底して、ハウスから出して焼却してください。

ハウス内の畝も通路も、しっかりバーナーで高温殺菌殺虫してください。可能であれば、収穫終了後と芽が出る前の寒い時期の2回高温消毒してください。

露地栽培の害虫対策

上のビニールハウスと共通する対策がほとんどです。

基本的にダニ類、アザミウマ類の大発生が起きることは少ないです。よっぽど杜撰な管理だと発生するとは思います。

実感ではビニールハウスよりも大き目の害虫の方が、多いので適時に農薬の散布を行い、害虫の駆除をしてください。

ページを最後まで読んでいただき、ありがとうございます。ご参考になれば幸いです。

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