アスパラガスの年間施肥スケジュールと窒素の吸収量について

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アスパラガスの年間施肥スケジュールと窒素の吸収量について

アスパラガスの施肥

アスパラガスの10アール当たりの養分吸収量は、窒素10~35kg、リン酸5~15kg、カリ10~40kg前後とされているが、施設・露地栽培などの作型、栽培地域によって大きく変わる。多年生作物のため株の年数によっても施肥が一様ではない。そのことから、はっきりとした施肥量と施肥方法の研究が進んでいないのが現状である。

苦土石灰の散布
牛ふん堆肥(有機資材)を畝に乗せた様子

アスパラガスの窒素の吸収パターン

日付窒素吸収量(g/ポット)
4月15日
5月15日0.1
6月14日0.2
7月15日0.5
8月15日0.7
9月15日0.4
10月15日0.3
11月15日0.2
12月15日」0.1
2年目の株の窒素の吸収量(アスパラ大辞典より抜粋)

上の表のようにアスパラガスの窒素の吸収量は、真夏が最高点に山型になっている。そのため萌芽前は少な目に施肥をして、立茎の開始時に例えば10アールに対して、N14-P14-K14の化成肥料を120~240kgくらい施す。 夏の収穫時には、野菜肥料(N15-P5-K5)を月1で20~25㎏くらい施す。その他に定期的に液肥を使用する場合は、固形肥料の量を減らす。

具体的な施肥のスケジュール例

肥料名総量
(kg)
春肥
(3下~4上)
元肥
(立茎時)
追肥
(8上)
NPK
有機入り肥料(8-10-6)※116016012.816.09.6
NK化成(22-0-14)40408.85.6
化成(18-4-8)30305.41.22.4
苦土石灰100100
有機資材(有機ハツラツ)※2200200
合計27.017.217.6
長野県の露地春採り栽培
肥料名総量
(kg)
春肥
(3下~4上)
元肥
(立茎時)
7上7中8上8中NPK
有機入り肥料(8-10-6)16016012.816.09.6
NK化成(22-0-14)40408.85.6
化成(18-4-8)1203030303021.64.89.6
苦土石灰100100
有機資材(有機ハツラツ)200200
合計43.220.824.8
長野県の露地長期採り栽培

※1 有機入り肥料(JA中野市アスパラガス専用肥料「にょきにょき」)は、魚カス・皮粉の有機20%、苦土・マンガン・ホウ素などの微量要素が含まれている。 

※2 有機資材(JA中野市アスパラガス専用肥料「有機ハツラツ」)は、有機物とアヅミンなどを配合した物。

肥料名総量
(kg)
礼肥
(立茎前)
追肥
(6~9月)
追肥
(10月)
冬肥NPK
堆肥10,0005,0005,000
鶏ふん1,0001,000
化成(10-8-6)220201月40x4202022.017.613.2
リン硝安化成(16-16-10)120201月20x42019.219.212.0
苦土石灰1407070
液肥(10-3-4)501月10x4105.01.52.0
合計」」46.238.327.2
香川県のハウス半促成長期採り栽培(2年目以降)

参考文献:『アスパラガスの作業便利帳』、著者:元木悟、農文協編、発行:農山漁村文化協会、2020年6月20日、第15刷

参考文献:『アスパラガス大辞典』、農文協編、発行:農山漁村文化協会、2021年1月25日

ページの最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。ご参考になれば幸いです。


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