農業でビニールハウスを建てれば儲かるわけでもない話
今回も農業を経験していない方向けに話していきます。ビニールハウスを建てて害虫も発生しない、作物は病気にもかからない。室温と水分も自動管理されている。このような企業や県の農業研究所が建てるくらいのハウスであれば、かなり労働力を軽減することができて、利益は高くなりますが。電気水道無しの一般的なビニールハウスでは、ハウスの代金をペイするのに作物にもよりますがだいたい2,3年かかります。現在資材費が高騰してまして、500㎡くらいの大きさのビニールハウスの価格が300万円くらいです。
◎一般的なビニールハウスを建てるとして、問題点は3つあります。
- ビニールハウスを建てても運転資金は潤沢に残るのか?
- ビニールハウスの管理を毎日できるのか?
- 苗も自分で栽培してコストを下げるのか?
【例】ビニールハウスでアスパラガスを育てた場合
ビニールハウス栽培のアスパラガスにかかる資金は、下記の記事を参照してください。
運転資金が問題無ければ、次は毎日の管理です。
当たり前ですが、ビニールハウスは室内の温度を上げることはできますが、下げることはできません。
夏場は閉め切っていると、室内の温度が40度を超えます。うっかり閉めたままだと作物が全滅することもあり得ます。
夏は朝の7時くらいにはドアとサイドを空けて風通しのよい状態して、夕方の17時以降に閉めるようにしてください。
雨が作物にかかることが無いので、水をビニールハウス内に撒く必要があります。夏場は可能であれば毎日潅水することをお勧めします。
アスパラガスの夏の収穫は毎日です。早朝と夕方に1日2回できます。
1日のサイクルは、早朝の収穫、出荷作業、潅水、ハウス内の掃除、夕方の収穫、ハウスを閉める、出荷準備となります。
苗を作る場合も自分で種まきして、苗を起こすとなるとその分の作用時間も必要になります。
苗を買った方が作業時間を考えると安い場合もあります。
アスパラガスの場合は欠株を植え替える程度なので、毎年苗を大量に起こすことはありません。
☆アスパラガスをビニールハウスで育てるメリット
- 病気の発生が露地栽培と比較すると格段に下がる(体感3~4倍くらい)。
- 病気の発生が少ないので毎年の株養成が順調になる(取り切り栽培の逆)。
- 雨の日でも収穫作業が楽。ハウス内の気温が高いため春収穫で高収入になる。
私の失敗談として、ビニールハウス2棟(計6アール)、露地10アールを1名で管理していたことがあります。
春はハウスが収穫量多目で露地は少な目なので、1名でも出荷管理はできました。
夏になるとハウスも露地もばんばん出てきて、手が回らなくなりました。
作業時間を考えるとハウスを春収穫のみの体形にしたほうが良かったです。
ページの最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。ご参考になれば幸いです。
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