アスパラガス農家のアスパラガスの品種比較(甲信越地方)

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アスパラガス農家のアスパラガスの品種比較(甲信越地方)

こんにちは、新潟県佐渡市でアスパラガスを栽培している農家です。

この比較はあくまでも私の体感の話のため、信頼性に関しては保証できません。その点は何卒ご了承ください。

アスパラガスの栽培経験はだいたい5年になります。畑は20アールを管理しています。

私が所属しているアスパラガス組合では、参加メンバーの畑を巡回訪問して、生育管理を見ています。

組合内で栽培している品種は、「ウェルカム」、「ウェルカムAT」、「スーパーウェルカム」、「ずっとデルチェ」、「りゅうりょく」、などがあります。

実際に栽培している人から、話を聞いたり、書籍から引用した内容をまとめています。

島内では海が見える畑や、島の中を流れる川沿いの畑など、土の成分が異なることが多いです。島内で栽培する場合は、水稲の収穫量が多い土地ほど、アスパラガスの収量も増えると思います。その土地の人に話を聞いて、より良い土壌でのアスパラガス栽培をお勧めいたします。

アスパラガスの品種生態と特性と体感

ウェルカム

品種比較する場合、標準となる品種。アメリカの西海岸で育成された。

日本のだいたいの場所で栽培されているポピュラーな品種です。

  1. グループ:第2
  2. 雌雄:混合
  3. 若茎の色:淡緑色
  4. 若茎先端の締まり:優れる
  5. 太さ:普通
  6. はかまの色:淡紫色

私の感想:初めてアスパラガスを栽培したときの品種、他の品種と比べて種の値段が非常に安い。初めての栽培では、アスパラガスは病気に非常にかかりやすいと感じた。アスパラガス組合でも、栽培を始めた人の半分の方が、数年で廃園にして止めているので、そういうものだと考える。アスパラガスは果樹や水稲と比較すると、こまめな管理が必要になる。アスパラガス全体に言えることだが、最近は高温や大雨などの天候不順により、年間の収量が減っている。

ウェルカムAT

オランダで開発された全雄の品種。ウェルカムよりも1年を通して収量が多い。

太さもウェルカムよりも太いものが多く採れる。

しかし高温に非常に敏感のため、ビニールハウスで栽培する場合には、温度調節の喚起方法が必要になる。

  1. グループ:第3
  2. 雌雄:全雄
  3. 若茎の色:濃緑色
  4. 若茎先端の締まり:普通
  5. 太さ:太い
  6. はかまの色:濃紫色

私の感想:ビニールハウスを全開にしても、穂先の開き早い場合が多々あるので、高温対策が必要です。露地栽培では、穂先の開きはウェルカムと同じぐらいに感じます。二次側枝の発生が少ないので、夏場に枝が密集して病気になることは、比較的ありません。

スーパーウェルカム

ウェルカムと比較して、穂先の締まりがよく、太い若茎が多く収穫できる。

病気の耐性に関しては、ウェルカムと大差はない。

  • グループ:第2
  • 雌雄:混合
  • 若茎の色:淡緑色
  • 若茎先端の締まり:優れる
  • 太さ:やや太い
  • はかまの色:淡紫色

私の感想:穂先の締まりが良い。年間の収量がウェルカムに比べてやや多い。ほかの点では、だいたいウェルカムと同じ。

りゅうりょく

全雄系の一代交配種。草勢が強く、特に生育の揃いがよく、育てやすい品種。

アントシアンレスなので紫色が発色せず、きれいな緑色の太いアスパラガスが収穫できる。

  1. グループ:第3
  2. 雌雄:全雄
  3. 若茎の色:淡緑色
  4. 若茎先端の締まり:普通
  5. 太さ:太い
  6. はかまの色:緑色

私の感想:若茎が発生する勢いがあるので、最初は丁寧に茎が密集しないように間引かないと、茎が密集した中心部が病気になりやすい。春どりの色をウェルカムと比べると淡い緑色が顕著。夏どりの場合は擬葉の影になり、ウェルカムも色が薄くなるので、りゅうりょくの淡い緑色も目立たない。アントシアニンフリーのため、紫色の点が生じる雨傷が目立たないのが利点。

ずっとデルチェ

メリーワシントン500W(雌系)とガインリム(雄系)を掛け合わして作られた品種。

春どりでは、太いものが多く多収である。夏季は潅水することで増収し、安定した収量が得られる。

開発段階で、長期どり作型に最適化した品種である。

ウェルカムがアメリカ西海岸の気候に適した品種に対して、ずっとデルチェはオランダの気候(日本の寒冷地と同じ気候)に適した品種。

  1. グループ:第3
  2. 雌雄:混合
  3. 若茎の色:やや濃緑色
  4. 若茎先端の締まり:普通
  5. 太さ:太い
  6. はかまの色:淡紫色

私の感想:露地栽培において春どりの穂先の締まりは、非常に良い。夏場の穂先の開きは、ウェルカムと同じぐらいに感じる。斑点病に強いとされているが、茎枯病に対してもやや耐性があるように感じる。表面だけ発病して、防除することで、ある程度は茎枯病の進行を止めることができた。ウェルカムより、病気に強いと感じた。発病しないわけではなく、発病後の進行速度が比較的に遅い。夏場の収量は潅水することで、確かに多収となるが、2,3年目の株では、総量がウェルカムより少ないので、4年目以降が本番。

参考文献:『アスパラガス大辞典』、農文協編、発行:農山漁村文化協会、2021年1月25日

アスパラガス新品種‘ずっとデルチェ’の育成経過とその特性2010870512.pdf (affrc.go.jp)https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010870512.pdf

ページを最後まで読んでいただき、ありがとうございます。ご参考になれば幸いです。

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