今から始めて儲かるサツマイモ(かんしょ)農家を考える

春香（はるか）
転職希望の会社員、実家は非農家の３０代。

ゴンスケ
基本的に古着（おふる）を着て畑仕事をやってる。実は年商１千万円の農家。農業普及指導センターから、連絡を受け春香の相談に乗っている。

農家になりたいって、実家は非農家だっぺ？親戚でも農家いないんか？

えーっと、実家も親戚も農家はいないです。

そんなら、まずは技術の習得からだんな、農業学校や里親農家などで農業をやって栽培技術を習得しないと、農地を貸してくれないっぺ。自前の土地を持ってって自分で農地を準備できるなら、そんでもいいけどなぁ。

そういう感じで、農業を始めるものなんですね。

そんなもんで、運転資金と開業資金が必要になるんだ。もちろん資金は、あることに越したことはない。スルクスイートも言ってるべ、こんなん、あればあるほどいいですからねぇって。

シルクスイート？ああ、ミルクボーイですか。

さつまいもの場合は畑や苗はどうにかなるけんど、機械をどうするかだ。

その機械って、高いんですか？

テレビで見たと思うが、焼き芋ブームでさつまいもの苗を植え付ける機械が発売されたりしてるっぺ。歩行型かんしょ移植機っていうんだがな、これが約１３０万円だっぺ。手で１本ごとに植えるなら、４千円で買えるカンショ植え付け器が安いっぺ。

え、そんなに、すごく高いんですね。

ま、高いもんだと軽トラックは必須として、畑を耕すトラクターなんかも使うから、１年目から全部買うのは無理だっぺ。そういうときはJAなどから農機をレンタルしたり、作業受託をしてる人に頼んだりするっぺ。そんで畑の管理は自分でするっぺ。

さつまいもの作り方は、やっぱりサツマイモ農家さんに教わるんですよね？

それがベストだなぁ。さつまいも産地なら、それが強みになる事もあるんで。それが無理なら農業学校が安心かもなぁ。もしくは里親農家で何か違う作物の技術を習いつつ、独学でさつまいもの技術を学習するって方法でもいいけどな。

独学でも質問できる窓口や専門家などはいないんでしょうか？

農家でも知らない品目を新しく始めるときに利用する、農業改良普及センターが各地にあるっぺ。いろいろな農業に関する疑問に対して専門家が相談に乗ってくれるっぺ。

それは助かります。ちなみに、さつまいもだけの収入だと、難しいですか？

さつまいもの収穫は９月～１１月の秋だけなんで、年１回だから最近の高温干ばつ状態だと、不作もありうるっぺ。そんだから、他の品目も栽培しといて、リスクの分散をするっぺよ。収穫時期が重ならない作物を栽培するってことだ。

さつまいもは、焼き芋にもできるし、焼酎にもできるから加工品を作ってもお金になりますよね？

食べて美味しいさつまいもは、食用だから焼酎の原料になる芋と品種がちがうっぺよ。焼酎の原料となるサツマイモを作らないと酒造会社は買い取ってくれないっぺ。この焼酎の原料となる芋は食べると不味いっぺ。まんず、食用のさつまいもさ栽培して、B品や規格外品を焼き芋や加工食品用に回せば利益増になるっぺ。奇麗なさつまいもは生出荷したほうが高くなるでな。

そうなんですか。食べているさつまいもと焼酎用のさつまいもは、別と考えた方がいいんですね。

今回の説明はこんなところだな、大まかに畑を作る際の費用をまとめた記事が下にあるので、見ておいてくんろ。